日本企業は海外企業に比べて自社でシステム開発をするケースは少なく、外部のベンダーへ委託する傾向にあります。日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査2017」においても、日本企業のシステム内製化率は37.8%と示されていることから、半数以上の企業が社外へシステム開発を委託していることがわかります。また過去の同調査結果と比べると内製化率は数%ずつ減少していること、及び昨今のクラウドサービス充実に伴う企業システムのクラウド化が進んでいることから、今後も日本企業のシステム内製化率は下がっていくと想定されます。
企業はシステム開発を外部委託するにあたり見積を取得しますが、その見積金額が妥当であるかを判断できないと、ベンダーの言い成りになってしまう恐れがあります。ベンダーが意図的に本来の工数以上の金額を見積もってきたり、意図的でなくても一般的な市場価格より懸け離れた金額を見積もってきたりした場合に、必要以上の開発費用を支払わないためにも、提示された見積金額が妥当かどうかを見極める目を持つことは非常に重要です。
そこで本書では、ベンダー出身のコンサルタントである筆者が、委託元企業、ベンダーの両視点から、システム開発における見積金額の評価ポイントを紹介致します。
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