はじめに
世界に比べ日本におけるアジャイル開発の普及率はやや低いものの、PMI日本支部の2024年度調査によれば、組織的にアジャイル開発を導入済みと回答した割合は44%に達しており、2019年の31%と比べれば近年着実に拡大していると言える。ただしその多くは全面的な適用でなく何らかの形でアジャイルを導入しているとされており、特定のプロジェクトや一部工程に限定した部分導入にとどまっているのが実態のようだ。
業種別に導入状況を見てみると「社会インフラ(43.5%)」や「金融・保険(41.3%)」では高い導入率を示しているが、「小売・外食(13.8%)」や「生活関連型・その他製造(18.6%)」では限定的である。これは社会インフラ、金融・保険業界が「顧客向けデジタルサービスの拡充」や「事業変革のためのDX」へ積極的に取り組んでいるためであり、これらの取り組みにはスピードと柔軟性が求められ、さらにはビジネスモデルそのものを変革する必要性もあるため、アジャイル導入を後押ししていると考えられる。
ここ数年で筆者が経験したプロジェクトにおいては、大規模システム導入プロジェクトでは依然としてウォーターフォール開発を採用しているクライアントが多かったが、中・小規模のシステム導入プロジェクトではアジャイル開発を採用しているクライアントも珍しくなくなってきた。
本レポートでは、SIer出身のコンサルタントである筆者が、実際にアジャイル開発を採用したプロジェクトでアジャイルの弱点をどのように解消したかをプロジェクトの実体験をもとに紹介する。
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